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“横丁ビジネス”を確立した飲食業界の風雲児! その知られざるサクセスストーリーを追う

店舗ナンバーワン株式会社 三浦正臣

10年で1700軒以上の店舗プロデュースの実績を持つ店舗ナンバーワン代表の三浦正臣さん。超個性的な路地裏空間「恵比寿横丁」のビジネスモデルを手がけ、昨年も「神宮前横丁」をオープンするなど大活躍。三浦さんはどうしてこの道を選んだのか?弱冠24歳で役員就任、そして独立という立身出世は、若き日の“夢”と“憧れ”に裏打ちされていました。

三浦 正臣(みうら まさおみ)
店舗ナンバーワン株式会社 代表取締役

1980年生まれ、神奈川県出身。2002年、店舗流通ネット株式会社入社。2年後の24歳で取締役営業本部長となり、同社の上場に貢献。その後も数多くの飲食店プロデュースを手がけ、2008年には「恵比寿横丁」をオープンし、メディアの注目を集める。2012年、ストアクリエイティブ株式会社として独立し、海外の店舗プロデュースも手がけるように。2015年1月、店舗ナンバーワン株式会社(最寄り:六本木)を設立、代表取締役となる。同年12月に「神宮前横丁」をオープン。今後も鶯谷、横浜、浅草にそれぞれ新横丁をオープン予定。

コンセプトは“誰も見たことのない”飲食店

店舗ナンバーワン三浦正臣社長

店舗ナンバーワンの事業内容についてご説明をお願いします。

  飲食店のプロデュース、総合コンサルタントです。コンセプトやメニューを考えたり、店舗の場所決め、店舗運営に関するファイナンス、人材派遣など、飲食店に関することすべてを手がけています。

―主にどのような依頼が多いですか?

  「新しいお店を出したい」というご依頼が一番多く、コンセプトづくりから出店までイチからご希望を承っています。

  いっぽうで「店を閉めたい」「場所を売りたい」というご相談も多いです。その部分で、新規出店とのマッチングを行ったりもします。僕らはこれを中古店舗流通事業と言いますが、今でいう居抜きですね。

―22歳で店舗流通ネットに入社して以来14年間、ずっとこの業種に関わっておられるそうですが、今までどのくらいの飲食店のプロデュースを手掛けてこられましたか?

  日本では、およそ1700軒飲食店をつくってきました。最近は日本食ブームなので、海外からもプロデュースのご依頼も増えていますね。昨年(2015年)には台湾とシンガポールに4軒つくりました。

―三浦さんが手がけられたものでは、「恵比寿横丁(※1)」「神宮前横丁(※2)」が昨今注目を集めていますね。

(※1)恵比寿横丁/2009年にオープン。肉寿司専門店や牛タン居酒屋、ガールズバーと、個性的な屋台や飲食店が軒を連ねる。 (※2)神宮前横丁/2015年にオープン。2階層に分かれており、1階はハイクラスながらリーズナブルに料理が楽しめる飲食店街で、2階部分は開放的なBAR空間となっている。オープン後、隠れた名店スポットとして話題に。

  僕は常に“誰も見たことのないものをつくる”ということを第一としていて、「恵比寿横丁」も「神宮前横丁」もそういったコンセプトでつくっています。ですから、有名店や大手チェーン店の出店は、すべてお断りしています。

  個人で経営している、とんがっていて、でも料理のおいしいお店が入れば、パンチのきいたものができると思ったんです。

恵比寿横丁 恵比寿駅からほど近い、レトロなたたずまいの恵比寿横丁。その隣には、店舗ナンバーワン直営の「牡蠣ベロ」が。

  たとえば、弊社の直営店である「牡蠣ベロ」というお店。これは僕が仕事でパリに行った時、よく見た光景から着想を得ました。

  日本でいう「オイスターバー」は、テーブルに着席して料理とお酒を楽しむといったような、ちょっと気取った感じのイメージの店が多いですけれど、パリでは街角の、ごく普通の「屋台」に牡蠣と氷とレモンが並べられていて、人が気軽に立ち寄っては一杯飲んで牡蠣をペロッと食べるんです。

  それがとても印象的で、日本では見たことないものだったんですよ。それでこのスタイルで、牡蠣のお店をやりたいなって思いました。

牡蠣ベロ 「牡蠣ベロ」店内のようす。大ぶりで新鮮な牡蠣を気兼ねなく楽しめる。

―海外のお店から着想を得ることも多いんですか?

  そうですね。やはり海外にはまだまだ見たことのない店がたくさんあります。看板ひとつとっても日本とは全く異なる色遣いだし、刺激を受けることが多々あります。

  実際に、ハワイのパンケーキ店やポップコーン店など、海外から来てヒットしている例がたくさんありますよね。海外勢の強さを知ったうえで、日本人向けにどうつくるかをいつも考えています。また、逆に海外へ日本のお店を持っていくこともあります。

―今後、三浦さんが手がける予定の事業を教えてください。

  今年(2016年)の6月25日に鶯谷の南口、7月25日に横浜、9月に浅草の隅田川で新たな「横丁」がオープンする予定です。

―鶯谷とは、珍しい場所ですね。

  最初は正直、「キツイな」って思ったんですけれど(笑)映画『Shall We ダンス?』のモデルになったダンスホールやライブ会場があったりして、特に週末はものすごいにぎわいなんです。ここなら土地柄を活かしておもしろいことができると確信しました。

  ステージが付いた、日本初の“エンターテイメント横丁” ができる予定なので、楽しみにしていてください!

2次元の世界で見た、スーツ姿のビジネスマンに憧れて

店舗ナンバーワン代表 三浦正臣さん

―三浦さんは以前から飲食業や飲食店の仕事にご興味があったのですか?

  いや、それが全然。僕は大学へ行かずに、引っ越し屋さんと、その後は土工(どこう)として働いていました。朝5時起きで建設現場に行き、夕方まで穴を掘ったらそのまま夜勤。終わったらまた朝の現場へ……という生活で。

  給料は日給制で悪くはなかったんですが、将来のイメージがつかなくて。
  というのも、僕にとって「カッコいい大人」というのは、テレビやマンガで見るようなビジネスマン。スーツを着て、オシャレなレストランで女性と乾杯して……今考えるとホントに世間知らずですけど(笑)そういうのにものすごく憧れたんですよ。

  そんなある夜、池袋の現場から地元の町田まで首都高で帰っていく時、たまたまできたばかりの青い光に包まれた綺麗な六本木ヒルズが見えたんです。テレビや映画の世界を初めて目の当たりにして、強烈に憧れを抱いて。

  タイミングを同じくして、休みの日に一緒に働いていた後輩が、転職雑誌を持って家に来たんですよ。何気なくそれを見ていたら、1Pドーンとぶち抜きで、メガネかけたスーツ姿の人の写真が載っている。

  しかもそこに「がんばった分だけ稼げる!」「18歳以上学歴不問」という文字があって、これがものすごく心に響きましてね。つまりは、ベンチャー企業で歩合制の営業職、ってことだったんですが。

  勢いのまま電話して、成人式の時のスーツを着て面接に行きました。「オフィス」という場所に行くのも履歴書を書いたのも初めて。エントランスに入る時からもう緊張で、死ぬほどドキドキしちゃいました。

―そこが、店舗流通ネットだったのですね。初めての就職活動、面接で、どんなことをアピールされたんですか?

  全部、正直に話しました。朝5時起きの生活をしていたけど一度も遅刻したことはないし、根性もあると。このまま土方の親方になるよりも、都内でスーツを着て働いてみたいし、お金を稼いでいい車に乗っていい時計を買いたい。そういうのが夢だったと。

  ちっちゃくて青臭い夢でしたが、自分にとってはそれが何よりのモチベーション。だからがんばろうと思えましたね。採用の電話が来た時は彼女とケーキを囲んで大盛りあがりでしたよ(笑)。

諸先輩方のキビシイ言葉に一念発起! 何も知らない自分が脱皮した瞬間

店舗ナンバーワン株式会社 三浦正臣氏

―初の営業職として入社されてみて、当時の心境はいかがでしたか?

  人生で初めて「勉強」をしたなぁと思います。名刺なんて渡したことないし、FAXすら見たことない。口のきき方ひとつ知らない若造だったから、何をしても怒られましたよ。

  そんな状態から始まって、タウンページを開いて端から端まで電話営業。当時の社長の振る舞いを、見よう見まねでしていました。

―でも、入社して2年後に営業本部長まで昇格、役員になられたわけですよね。いったい何があったのでしょう?

  ひとつの大きなきっかけがありまして……入社して3か月後くらいかな。僕は当時、ラメ入ったスーツ着て、リーゼントみたいな頭して、ほかの新人よりも自分はスゲエんだ、みたいなこと言ってたんですよ(笑)。

  そうしたらある日、社長に朝礼で、前に出させられまして。そこで自分の服装と髪型のだらしなさをボロクソに言われたんです。みんなの前で怒られて、さらし者ですよ……もうそれで1日、ムカムカしちゃいましてね。

  その次の日、社長室に呼ばれました。そこで社長が話すんです。
  「昨日は悔しかっただろ。わかるよ。でもな、絶対に勘違いするな。ここは会社だ。地元でケンカが一番強かったとか、そんなの一切関係ない。偉くなりたい、いばりたいんなら、営業成績で1位取れ。そうしたら誰もお前に文句なんか言わない。だからがんばれよ」と。

  その言葉がすごく効いたんでしょうね。次の月から22か月連続で、営業成績トップを取りまして。役員になり、お陰さまで4年半で会社を上場させるまでになったというわけです。

  上場してから新卒採用も始めました。当時はベンチャーだとすぐに辞める人も多かったんですけれど、僕がいる間は全員辞めずに残ってくれました。店舗流通ネットには10年間いましたが、そこまでがんばれたのは彼らのためでもあります。

―すごいですね!営業成績を伸ばすために、意識していたことはありましたか?

  「人からどう見られているか」はすごく意識していましたね。あとは1日5件、必ずアポイントに行くようにしていました。アポは取るだけでも大変なんですけれど、そこまでやっていたのは社内でも自分だけだったと思います。

  あと営業がうまくなったきっかけというのもありました。ある大手レストランチェーンの本社へ1人で営業に行った時です。
  担当の方に会社案内を広げて説明をしていたら、いきなりパタン、と閉じられたんですよ。そうしたら……

  「君ね。こちらが質問したことには、きちんと説明できるようにしないと。『あ~……たぶんそうだと思います』なんてそんな空返事じゃ、人に伝わらないぞ!」
  ……そんなことを、延々と1時間半(!)話されて。

  それから6時間くらいアタマにきてたんですけど(笑)6時間1分後に「……言われてみれば確かにそうだな」って思い直したんです。それから、しゃべり方とか相手への伝え方を真面目に勉強し始めましたね。

  普通、営業で来た20歳そこそこの若造に、1時間半も怒れないですよ。あの時叱ってくれた方には、本当に感謝しています。

目標は世界一! 小さな枠組みにとらわれない仕事を目指す

店舗ナンバーワン三浦さん

―店舗流通ネットを辞めてからストアクリエイティブ、店舗ナンバーワンを設立するまでの経緯を教えてください。

  辞めたきっかけとしては、勤めてぴったり丸10年だったこと、後輩が育って幹部になり、店舗流通ネットがハークスレイ(※)の子会社となったので、心配なく後輩に後のことを任せられるな、と思ったからです。

※株式会社ハークスレイ/弁当チェーンの「ほっかほっか亭」(株式会社鹿児島食品サービス)やベーカリーショップ「HOKUO」(北欧フードサービス株式会社)を傘下に置くフランチャイザー。2011年2月に店舗流通ネットを完全子会社化。東証一部上場。

  子会社化したことで店舗流通ネットの上場は廃止になってしまいましたが、20代のうちに上場の準備や会社づくりの経験を十分にさせてもらったので、しばらく1人で仕事をしたいなと。それで設立したのがストアクリエイティブです。

  事業としては同じ店舗プロデュースなんですが、それまで行けなかった海外に行ってみたりして、自分のペースで仕事ができるようになりましたね。

  でも1人でやっていても、事業を広げるにはやっぱり限界があります。それで3年後、改めて人を雇って始めたのがこの店舗ナンバーワンという会社です。

―なるほど。今後、御社が目指すビジョンはありますか?

  僕はもう、“世界一の飲食店プロデュース会社をつくる”としか考えていません。そのためにもまずは上場ですね。店舗流通ネットは4年半で上場できたので、今度は3年で上場したいと思い、準備の真っ最中です。

  事業としては、今後は“店舗”という枠を超えた、施設づくりをしたいですね。2020年に向けて東京都も地域の観光地化を目指しているので、それに向けた店舗、施設づくりを進めていきたいと思っています。

飲食は稼げてカッコいい仕事。やりたいことができる環境をつくりたい

店舗ナンバーワン社内にて三浦社長

―今後、御社ではどのような人材を求めていますか?

  正直、学歴見ても僕はわからないし、やる気があるなら誰でも、教えられることは全部教えるつもりでいます。だから、素直な子がいいなって思いますね。

  変な話ですが、若い時の夢なんて身の回りの環境や、何かの影響でコロッと変わっちゃうものです(笑)。でもその時にそれがやれるだけの環境があればいいと思うんです。

  弊社の場合、仕事内容を見れば飲食だけでなく、不動産や金融も絡んでいますし、何より毎日いろんな経営者と会うことができます。そのような環境から何かを得て勉強したいのであれば、是非戦力になってほしいですね。

―御社では先ほどご紹介いただいた「牡蠣ベロ」のように直営店を出店されていますが、例えば御社に入社して「飲食店をやりたい」という場合、会社としてどのような対応をしていますか?

  もちろん、きちんと実績を出せば店を持つことができます。そして売上げを上げれば上げるほど、給料も高くする仕組みにしています。月給で80万、新卒でも150万で出した例もあります。

  今の飲食店にありがちですけれど、限られたわずかな月給だけで働かせるなんて、僕には違和感しかありません。海外ではウェイターやウェイトレスにチップを渡したりするくらい、飲食ってスター商売なんです。日本の飲食も、そのようなイメージになるといいのになって思います。

―それでは最後に、三浦さんから若い世代へメッセージをいただけますでしょうか。

  素直な夢を持つのが一番だと思っています。お金持ちになりたいならそれを目指すべきだし、カッコよくなりたい!っていうならそれでもいい。先ほども言いましたが、僕たちはそういう人たちに対して、夢を叶えられる環境をつくってあげるべきなんです。

  僕はもう、若い時なんてお金稼いでモテたいとしか考えてなかったし(笑)若い間は本当に素直な、人間らしい夢に賭けるのが一番だと思いますよ。



神宮前横丁

<店舗ナンバーワン株式会社>
〒106-0031 東京都港区西麻布3丁目2-9
東京メトロ銀座線・日比谷線または都営大江戸線 六本木駅より徒歩約10分

[取材・執筆・構成・撮影]真田明日美

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