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Story of “coincheck”―学生の利用者急増! 日本最大級ビットコイン取引所のさらなる飛躍

レジュプレス株式会社 大塚雄介

脚光を浴び続ける仮想通貨・ビットコインの日本最大の取引所『coincheck[コインチェック]』を運営するレジュプレス株式会社。映画『ビリギャル』を生んだ投稿サイト『STORYS.JP [ストーリーズ]』でも有名です。今回は『coincheck』生みの親のひとり、大塚雄介さんのキャリアを追いながら、『coincheck』とビットコインのさらなる可能性を探ります!

大塚 雄介(おおつか ゆうすけ)
レジュプレス株式会社 取締役 共同創業者

1980年、群馬県生まれ。早稲田大学、早稲田大学大学院卒業。量子理論物理学を学び、早稲田大学大学院にて物理学修士号を取得。ビットコインの取引・決済を行う日本最大手のビットコイン取引所『coincheck[コインチェック]』、ライフストーリー投稿サイト『STORYS.JP[ストーリーズ]』を運営。大塚氏は主にビジネス連携、広報、マーケティングを担当する。2006年、株式会社ネクスウェイに入社。2012年、和田晃一良氏とともにレジュプレス株式会社(最寄り駅:恵比寿)を設立。2014年8月『coincheck』サービス開始。2016年7月現在で取引額は180億を超えている。

ビットコイン市場を牽引する『coincheck』、『ビリギャル』を生んだ『STORYS.JP』

coincheck

―レジュプレスの事業内容を教えていただけますでしょうか。

  現在メインとしている事業は仮想通貨(ビットコイン)の両替所、および取引所である『coincheck』の運営です。仮想通貨の売り買いや運用をするためのサービスを提供しています。証券でいう東京証券取引所と証券会社のどちらも担っているようなイメージですね。

  また創業当初からしている事業として、『STORYS.JP』の運営があります。自分の人生ストーリーを投稿するサイトです。映画『ビリギャル』(投稿作品名:『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』)も、ここから生まれた実話です。

―ビットコインというと「実態がわからない」「セキュリティが心配」という声もありますが、『coincheck』の取引額から見るに、今急激に市場が広まっているんですね。

  マウントゴックスが破綻してから(※)何となく怖いイメージを持たれている方は多いですよね。実は私も、和田(レジュプレス共同創業者の和田晃一良[わだ こういちろう]氏)からビットコインをやりたい、と聞いた時「難しいかもな……」と思っていました。

  でも実はビットコインは運用が開始されて以来、1度もハッキングが行われていないくらい安全性の高いものなのです。

※マウントゴックスの破綻/2014年、ビットコイン取引所を運営していたマウントゴックス(株式会社MT.GOX)が債務超過のため破綻し、顧客分と自社保有分のビットコイン(500億円相当)が消失。同社の経営体質に問題があったとされる。

  ビットコインはある論文の理論に基づいて決済システムがつくられましたが、プログラムの中身がすべて開示されているなどの理由から、改ざんの余地がありません。やったらすぐに世界中にバレますからね(笑)。

  もちろん取引所そのものはハッキングされかねないので、我々が最も気を配っている部分ですが。

レジュプレス株式会社 取締役 共同創業者 大塚雄介さん

  そういったビットコイン自体の安全性、透明性が一番の革命なのでしょうが、特に最近では“早く、安く、簡単に”取引ができるという機能面が、普及につながっているようです。

―セキュリティ面はもとより、その利便性に注目が集まっているということですね。『coincheck』では主にどのような年齢層での取引が多いのでしょうか。

  ある程度資産を持っている30~40代、投資目的で利用する方も多いですが、実は学生を含めた若い方の利用がとても多いんです。

  若い方の間には少額の取引ならスマホ上で済ましたい、という感覚があり、その点でビットコインは非常に好まれています。

  Twitterなど見ていると「ビットコインアドレス教えるから、そこに送金してね」みたいな会話をよく見かけます。うちの和田もそうなんですが、小銭持っているのが鬱陶しいみたいですね(笑)。

『STORYS.JP』から『coincheck』へ……“逆算式”で考えたサービス

STORYS.JPから生まれたビリギャルほか書籍

―『ビリギャル』が生まれた『STORYS.JP』も順調ですね。

  サービス開始直後1ヶ月は鳴かず飛ばずでした。でも突然『ビリギャル』がヒットしたことでアクセスが集中し、今は投稿数が2万ほどになっています。

  それだけの投稿数があるので、TV会社や映画会社さんなどが「ネタ」探しに来たりもします。『ビリギャル』のように、一般の方の話と映画などのタイアップ作品がつくられることもあります。

  直近だと吉本興業様と協業で「カタリエ」というプロジェクトを行っています。『STORYS.JP』に投稿されたストーリーが原作となり、吉本興業がプロデュース、映像化を行っていきます。Amazonプレイムビデオでの映像配信も検討されています。

―『coincheck』が生まれた経緯についてですが、『STORYS.JP』と全く違う業態ですよね。どうして新しい事業を始めたのですか?

  私たちの会社は、テクノロジーを通じて、人々の生活が豊かになるサービスを生み出すことを第一に考えています。

  それを突き詰めていくと、社長の和田を含めたメンバー全員のリソースを最大限に活かせた時に、最も人々の生活が豊かになるサービスを生み出すことができるのです。

  『STORYS.JP』のサービスはある程度確立することができ黒字化も達成することができました。ですので、会社のリソースをすべて『STORYS.JP』に投入するよりも別のサービスをつくったほうが、より価値を世の中に提供できるのではという結論に至りました。そこで、次の事業テーマを考えてみることになりました。

  『STORYS.JP』はフェイスブックやツイッターよりももっと厚みのある投稿サイトがほしい、とそんな“過去の歴史の積み上げ式”の発想で生まれたサービスです。でも、周りにある成功したサービスは、未来を考えた時に現時点で足りていないものは何か、と“未来からの逆算式”で考えられたものが多いと気づきました。

  そうしてお互いにアイデアを出し合ううち、和田が提案してきたのが、ビットコインだったのです。

―それまでと違う観点から発想したんですね。でもどうしてビットコインなのですか?

  金融業界は、大きな市場ながらITにあまり対応しておらず、古いシステムのままだったのです。しかも、このころはちょうど仮想通貨ビットコインの技術が生まれていた時期。早く安く簡単にお金を動かせるビットコインは、まさに金融業界に革命をもたらすものに思えました。

  ビットコインが普及すれば法律も変わって、事業機会が増えます。また昨今VR(ヴァーチャルリアリティ)が登場しましたよね。PC、スマホに続く、新たなプラットフォームが誕生したといえます。新たなプラットフォームができれば、そこにも事業機会が生まれます。

  技術革新法律の整備、そして新たなプラットフォームの誕生。この3つがクロスするただなかにビットコインはある。これは非常に大きな事業機会が見込めるのではないかと考えました。

―2012年にサービス開始以来、『coincheck』のビットコインの取引額は2015年3月には1億円を突破、さらに2016年7月現在では180億を超えたと聞いて、驚きました。

  我々はとにかく目の前のことに必死だったんですけれど、改めて数字を振り返ってみたら……ものすごい取引額になっていましたね。

  私はそれまで、新卒で入ったネクスウェイに籍を置きつつ『STORYS.JP』に関わっていたのですが、『coincheck』がこうしていよいよ本格化するにあたって、正式にジョインすることになりました。

―御社では学生のインターン生やアルバイトのエンジニアも活躍しているそうですね。今後の発展に向け、求めるエンジニア像はありますか?

  英語ができて、金融に興味があり、そしてエンジニア力のある人。この3つがそろっている人はこれからの時代、とても必要になってくるはずです。

  うちのインターン生もアルバイトもエンジニアという枠にとどまらず、会計、営業と幅広く仕事をしてもらっています。アルバイトはいつも人手不足なので(笑)ご興味があれば是非ぜひ、ご連絡ください!

科学者に憧れゲームも封印。友達もいない「暗黒時代」

レジュプレス大塚雄介氏

―大塚さんご自身は、どのような学生だったのですか?

  僕はいわゆる“理系”の人間で、幼いころからニュートンやガリレオのような科学者に憧れていました。今もそうですが、自分の名が後世に残るくらいの発見や、功績を残すのが夢なんです。

  学生の時もその夢をどう実現させるかを考え続けていました。群馬から上京してきて早稲田大学に入りましたが、サークルにも入らず、ずーーっと1人で本ばかり読んでいましたね。

  朝7時に起きて研究室に行き、夜の7時から四ツ谷英語学校へ。家に帰ってまた研究して、寝て。朝7時に起きて研究室に行って……それの繰り返し。

  バイトもする時間がなかったですね。学費は奨学金が出たし、生活費は親の仕送りでまかなえました。行って帰って寝るだけですし(笑)。

―勉強漬けの生活! ……お友達いました?

  いやぁ、そもそも「人と話す時間がムダだ」と思うような人間でして(笑)。いつも「正数はなぜ正数なのか」「筆算よりも、こういう計算式にすればもっと早く解けるんじゃないか」とか……ちょっと普通の人とは話が合わなかったんだと思います。

―今の大塚さんからは想像がつかないですね。

  だから僕は学生時代のことを「暗黒時代」って呼んでます(笑)。でも小学3年生の時までは普通の子どもだったんですよ。普通の子どもと同じようにテレビゲームばっかりしてました。

  ゲームばっかりやっていたら、ある時ふと「これは時間のムダだな」と(笑)。もっと自分の知りたいことに時間を遣った方がいいと思ったんです。それでゲームを全部、押し入れにしまっちゃいました。

  普通の子どもがすることじゃないから、親からしたらびっくりですよね。「この子は社会に適応できるのか」と本気で心配されましたよ。自分もそれは心配でしたけれど(笑)。

理屈で人は動かない! 理系思考が空回りしたネクスウェイ新人時代

レジュプレス取締役大塚雄介さん

―研究という領域からビジネスのほうへ目覚めたのはどうしてですか?

  大学院卒業前に自分の進路を考えた時、研究職としてやっていっても、功績が残るのはたぶん、自分が死んだ後になりそうだと察しまして……(笑)。

  それで就職活動を始めたのですが、そのうちに「技術の面で世の中にインパクト与えるような事業をつくりたい」と思うようになりました。ソニーの創業者で技術者でもある盛田昭夫さんが理想のイメージでしたね。

  それで若くても事業に携われる会社を選んで、内定をいただいたネクスウェイに入社しました。

―ネクスウェイはFAX送信や郵送DMといった通信サービスの会社ですね。業種にはさほどこだわらなかったんですか?

  そうですね。というのも、この歳になってふり返ると僕の就職活動はそれはもうひどかったんです。ロン毛でピアス穴開けて、スーツも着ずに面接行ったりして。

  当時は「こんな自分を受け入れてくれる文化が大切で、業種にはこだわりはありません!」って感じだったんですね。

  あとで聞いたらやっぱりかなり驚かれたそうなんですけれど(笑)。今僕の前に面接でそんな奴が来たら追い返しますよ!

―ご縁があったわけですね。ネクスウェイではエンジニア職だったんですか?

  いえ。まず法人営業職に就きました。
  最初は本当に苦しかったですね。お客様に、うちのサービスについてどれだけロジカルに説明しても、なかなか決めてくれないんです。「絶対メリットあるはずなのに、何で買ってくれないんだ」っていつも思っていました。

  でも新卒2年目の時、新しく始めたサービスを売ろうと電話100本くらいしてようやく1社、導入を決めてくださった会社がありました。その決め手というのが、まだ入社して間もない僕が一生懸命だったからだそうなんです。

  本人の熱意ややる気、担当者の気持ちや状況で人は動くんだと、その時すごく学びました。それまでは本当に人の気持ちなんてわかりませんでしたからね……理屈が通っていれば人は動くものだと思ってましたから(笑)。

―理系思考ゆえの弊害ですね(笑)。ネクスウェイには9年ほどいらして、それから『STORYS.JP』にジョインされています。籍を置きながら、というお話でしたが、転職をするつもりではなかったんですか?

  ネクスウェイに不満があったわけではないです。ただ、心のどこかに自分が主体者となったサービスをつくり出したいという想いがずっとありました。

  そんななかでレジュプレスの『STORYS.JP』の求人を見つけて、アポをとり、そこで和田やレジュプレスのメンバーと会いました。そしてすっかり意気投合して。

  ネクスウェイの仕事を終えたら深夜、『STORYS.JP』の仕事をして、土日は完全に『STORYS.JP』に注力して……とそんな生活を続けていました。

  レジュプレスはまだスタートアップの会社でしたし、お給料はいただきませんでした。お金を目的に働くのは、僕にとって幸せとは思えませんでしたので。

―無償で! それだけ大塚さんにとってレジュプレスのお仕事も大切だったのですね。

  ネクスウェイもレジュプレスも、どちらも本業のつもりでしたから。でも先ほど申し上げたように『coincheck』が本格化してきたところで、ネクスウェイのほうが片手間になってしまう危険性がありました。

  レジュプレスに完全に移ったのは、自分のなかでもきちんとケリをつけたかった、という気持ちもありましたね。

大切なのは“自分との約束”を守り、やりきること

coincheckを運営するレジュプレス大塚さん

―ビットコインはとても大きな可能性を秘めていると思いますが、今後レジュプレスでは金融業界において、どのような立ち位置を目指していきますか?

  ビットコインのような仮想通貨には2つの発展性があると考えています。1つは“金融資産性”のある金融商品として、もう1つが“価値の移動”としての進化です。

  国家のお金にビットコインが取ってかわる……なんてことはないでしょう(笑)。今の貨幣制度では限界があることをビットコインがカバーするなど、国のお金とは別軸で発展していくのが近い未来の姿だと考えています。

  我々は “価値の移動の最大限効率化”に主眼を置いています。最終的にはお金が一瞬で移動できればいいので、変な話、仮想通貨という形はいずれなくなるのかもしれません。

  とはいえそのためにお金の管理や決済といった、お金の価値そのものに関わる部分を他社に依存してしまうと、その会社にこちら側の運命を握られてしまいます。ですからそういった面でも、きちんと収益を上げていきたいですね。

―大塚さんから、これからの時代を生きる若い世代にアドバイスはありますか?

  「2016年の今、日本で20代として生きている」ことを意識してほしいなと思います。

  2016年日本に生きているということは非常に恵まれています。仮に事業で失敗したとしても、生活ができなくならないように社会のインフラ・国の支援が整っています。それは僕らの先代ががんばって今の国の形にしてくれた証拠です。

  それをよく理解したうえで、今の時代を生きている意味を考え、次の時代に向けチャレンジをしてほしいと思っています。

  若いころなら体力があります。若いからこそ取れるリスクもあります。もちろん全員が全員、起業するべきだとは思いませんが、ちょっとでも「やりたい」と思えたなら、迷わず進んでほしいですね。

―チャレンジするなかで、どうしても決断を迷う時もあると思います。大塚さんの場合は、何か自分のなかで判断基準は設けていますか?

  その決断に対し、納得感があるかないかですね。僕が小さいころの話ですが、塾に行きたくて親に頼んだことがありました。

  親は了承してくれたんですが、その時に言われたことが未だに心に残っています。「行ってもいいよ。ただ、やり切れよ」と。

  人生、行きたくない時、辞めたい時が必ずあるものです。でも、そこで踏ん張れるかどうか。本当にやりたいことだったらそこで踏ん張れるはずですし、やり切れば得るものはあるはずです。

  ですので、まずは「やるんだ」という決意を守れるかどうかを、よく考えてほしいと思います。決めたのにやめてしまったら、自分に対して嘘をつくことになってしまいますよね。そんな“自分との約束”を守れるかどうか……それだけではないでしょうか。

ビットコインイメージ <レジュプレス株式会社>
〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-7-3 いちご恵比寿西ビル4F
JR恵比寿駅より徒歩約5分
※2016年12月10日(土)より上記住所に移転

[取材・執筆・構成・撮影]真田明日美

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